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AEによる太陽電池セル欠陥評価

太陽電池パネルのセルの欠陥評価

ソーラーパネルの材料であるシリコンセルの欠陥検査は、材質の性質、サイクルタイム、コストなどの面から、X 線透過検査や超音波探傷検査などの非破壊検査の適用が困難である。したがって、シリコンセルの欠陥の検出は、最終工程の発電試験における発電力により評価されている。しかし、この最終の発電試験での評価ではパネルは最終製品に近く、手直しには多大な工数を要する。また、ソーラーパネルのコストはシリコンの材料費が大半を占めることから、コストダウンの一つの方法としてシリコンの薄肉化が進み、その結果として亀裂発生の確率が高まって欠陥検査の重要性が益々増加している。

アコースティックエミッションによるセルの欠陥評価原理と方法

太陽光発電用ソーラーパネルのシリコンセルの欠陥検査にAE を適用した事例を紹介する。欠陥検査装置はシリコンパネを両端から支持し、支持後に揺動指示部(B)を傾けることによりパネルにねじり力を加える。ここで、ねじりの大きさはパネルの設計強度に対し十分に小さい。図1 に、検出されたAE の挙動を示す。横軸が経過時間を示し、縦軸にAE の振幅(大きさを)を示す。AE が発生すると頭上に1 個点をプロットする。ソーラーパネルにねじりを加えることにより、亀裂が存在すると亀裂面同士で摩擦が生じてAE が発生する。図中に示すように、パネルに亀裂が存在する場合には、亀裂のないパネと比較して検出される振幅値が大きく、さらに多くのAE 信号が観察される。図2 に検出されたAE エネルギーと、それに対応して発生したAE 信号数の分布、すなわちエネルギー分布を示す。亀裂のあるシリコンセル(図中四角)と亀裂のないシリコンセル(図中丸)でAE の発生分布が異なり、図中の点線で示すように、亀裂の有無を領域分けすることにより、両者を識別できる。

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